コーヒー・紅茶・ウーロン茶・緑茶などのシミは普通に洗ってもなかなか落ちません。これらのシミにはタンニン(渋)が含まれていて、特に綿・麻・レーヨンなどの植物性(由来も含む)繊維と結びつき易く、家庭洗濯では「不溶性のシミ」として残ってしまいがちです。
また、ワインやジュースなどの植物性色素が付いた場合も、通常の洗いだけでは落ちにくいものです。
ただし、果汁100%以外のジュースなどに使用されている合成着色料と、トマトの色素は対象外です。
使うのは「液体ワイドハイター」などの商品名で売られている【液体酸素系漂白剤】と、「洗濯の科学その1」で取り上げた【液体洗剤】です。
液体酸素系漂白剤は、酸化剤としての過酸化水素が主成分です。
この過酸化水素は傷口消毒剤(オキシドールなど)にも使われている化合物です。
過酸化水素は酸性の条件下では安定していますが、熱を加えたりアルカリ性になると、速やかに分解して酸素を放出します。(図参照)
この酸素は反応性が強く、タンニンなどの有機化合物の分子の鎖を断ち切って、水などに溶けやすい形に「酸化分解」します。
△1.綿・麻・レーヨン・ポリエステルおよびそれらの混紡品で、白あるいは淡い色の物。
▲2.生地の成分にシルク・ウールなどを含まないもの。
▲3、生地が薄手のものは避けること。
▲4.プリント柄やラメ・ビーズ・スパンコール等の装飾部分は、脱色の恐れがあるので避けること。
以上4つの条件を必ず守って、タンニンや色素除去の裏技を使ってみましょう。
次回【後編】では実際の手順について説明をします。
ウィズモール担当:トウヨコランドリー procion@blue.vecceed.ne.jp
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