春の宵、天頂付近にひときわ輝く星座に「ふたご座」があります。アルファ星カストルと、ベータ星ポルックスが仲良く寄り添い、その南に細長く【ハ】の字型に細かい星々が並ぶ、星列が特徴的で分かりやすい星座です(図左上)。
実はクリーム色のアルファ星カストルはホントの双子星なんです(写真右上)。
周期420年で互いを回りあう、いわば【連星】と呼ばれる星です。
二つの星カストルAとBの間隔は角度でわずか2秒以下~4秒(月や太陽の見かけの大きさの約1000~450分の1)程しかないものです。
大望遠鏡でも見ることはできませんが、スペクトル分析によってカストルAとBは、それぞれがまた連星系をなすことが分かっています。すなわち、カストルは実は【四連星】ということになります。
もし、この恒星系に惑星があり、そこに降り立った時、4つの太陽が入れ替わり昇っては沈む、幻想的な風景を見る事ができるでしょう。
恒星の重さと寿命は反比例します。つまり、軽い星ほど寿命が長くなります。カストルも双子とはいえ、大きい方の星が先に寿命が尽きる運命なんですね。
ちなみに我が太陽は誕生してから46億年(46億歳)で、このあと50億年ほど余命があるそうです。
ふたご座の足元には著明な散開星団M35(写真左)もあります。小望遠鏡でもこれまた【ハ】の字型の星列が分かりやすい星団です。
ウィズモール担当:トウヨコランドリー