昭和の「味」がする[昭和堂]

ここ新丸子 イダイモール商店街の近くに住んで、間もなく17年になります。
一生の中で、そんなに長く同じところに住んだのは初めてで感慨深いものがあります。
これだけ住んでいると、商店街の方々とも顔なじみになりました。殊にいつも話しかけてくださる永松堂さんは、ご夫婦で物知りなので仏事の常識から、一般のことまでいつも伺ったり、相談に乗っていただいています。また猫のミッキー、菜々ちゃんともすっかりお友達です。
先日、書類の整理をしていましたら、17年前の地図が出てきました。親戚や友人が我が家に来てもらうために、私が富士通の最新式ワープロで作ったものです。iPadのように画面に指やペンを当てて書くものでした。それに感動していたのですから、時代の移り変わりは早いです。
そのITだけでなく、地図を見ているとイダイモール商店街のお店も随分変わりました。
まだまだ残っている店も、勿論たくさんありますが、2回も3回も変わった店もあります。
例えば、永松堂さんのお向かいさんは、17年前には駅前にある住吉書房さんで、その後100円ショップになり、先月魚夏さんになりました。
本屋さんや、100円ショップが無くなった時には、それぞれ寂しい気持ちでしたし、新しいお店に期待していましたが、今は美味しい魚屋さんが出来て嬉しいです。
魚夏さんのお魚を食べた時、久しぶりに「美味しい!」と思いました。ご近所やジム仲間でも、魚夏さんのお魚やお寿司は評判です。
 ずっと変わらないお店の中には、和菓子の昭和堂さんがあります。以前テレビ(TV東京 孤独のグルメ2の第1話 2012年10月放送)で、松重豊さんが※クリームあんみつを食べながら「店のなかに昭和が残る」と言われていました。
このHPの『まるこママのお店訪問』で、一年中『氷』の訳がわかりました。
昭和堂さんのように店先で和菓子を販売し、2階もしくは奥が喫茶店になっている店を見ると思い出すことがあります。
私は学生時代京都で一人暮らしをしていました。ちょうど30年前に卒業したので、かなり前の話になります。
最近では喫茶店そのものが減っていますが、京都のような場所では、観光客などが多く、逆にそういった形態のお店が、今でも数多くあり季節季節の和菓子を楽しむことが出来ます。
また今はどうかわかりませんが、関西は、東京よりも喫茶店に行くことが多いようで、私も住まいの隣にあった鼓月という和菓子屋さんの2階の喫茶店に、毎日のように行っていました。大学が終わると、先輩や同級生達と待ち合わせては、史学や文学など様々な議論を戦わせていました。男子禁制のところに住んでいましたので、そこがまるで居間のようでした。
 
さて、ある日のこと、東京から出張で来られた教授が一人で鼓月の喫茶店に行きました。偉い先生なのですが、見たところは普通のおじさんです。
先生は「キリマンジャロ1つ」と注文しました。
ウエイトレスさん「それだけでよろしいですか?」
先生「ええ、それだけで・・・」
しばらくすると、お煎茶に和菓子が添えられたものが出てきました。
先生は、そういいう所に行くのは初めてなので、こういう店は和菓子がついてくるのかな?と思い、お菓子とお茶を美味しくいただきました。
しかし、待てと暮らせどコーヒーが出てきません。
その日はヒマで他に数名のお客さんがいるだけで、店の人はのんびりしています。
痺れを切らした先生はウエイトレスさんに言いました。「ちょっと、私の頼んだもの、まだですか?」
するとウエイトレスさんは「それやったら、さっき持ってきましたし、お客さん召し上がったじゃないですか!?」と言います。
キョトンとしている先生を尻目に、続けます。
 
「お客さんが頼まれたのは、栗饅頭ですよね」
 
昭和堂さんにも、どのお店にもそんな笑い話が染み付いているのでしょうね。
嫌な話は忘れて、そういう話だけ残して、商店街が発展していくことを願っています。
 
※クリームあんみつ に関しては『TV東京 孤独のグルメ2』のHP の中に書いてあります。
 
l『これがうまい甘味屋は信用できる。りんごはちゃーんとうさぎさんだし』
永松堂 

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(イッツコム・なかはらスマイル2014年7月)

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