誰もが気になっていた和菓子の昭和堂さんの、
一年中店頭にある『氷』の文字。
「冬でも氷ですか?」
の問いに、女将さんの大熊サダ子さんはすぐに答えてくれた。
「そうなのよ、冬でも食べたいってお客さんがいてね…。」
明るい陽のさす商店街から見ると、ちょっと暗い雰囲気の店内。
ところが、声をかけて出てきたのはなんとも明るく
ちゃきちゃきと話をしてくれるおかみさん。
聞けば、日本医科大学武蔵小杉病院に通うお客さんが
病院から帰る途中に、渇いたノドを冷たい氷で潤して行くそうだ。
なるほど、うなずける。
そして見せてくれたのが大きくて四角い、
そして透き通った、かき氷用の氷。
冷凍庫の中にどんと鎮座していた。
氷かき機は昔ながらの物。
これで美味しい氷ができるわけだ。
★ 和菓子は地下で作っていた!
通りに面して、ピンク・黄・緑など色とりどりの和菓子が並ぶショーケース。
どれもこれもとても丁寧に造られている。
作っているのはご主人の大熊武夫さん 。
話すのは苦手、ということで残念ながらお顔を見ることは出来なかったが
代わりにこの和菓子達が、作り手の思いを語ってくれているのだろう。
『喫茶部』と書かれたドアを開けて店内に入ると中二階へ上がるように数段の階段。
なぜ階段?と問いかけてみるなり
「地下でお菓子を作っているのよ。」
すぐに答えが返ってくる。
作業場が半地下のようになっているのだろう。
ちょっと不思議な空間はそのためにできているようだ。